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「成果に繋げるためのリモートワーク」を実現するために

LAPRAS社はこの度、厚生労働大臣表彰「輝くテレワーク賞 特別奨励賞」を受賞しました。そこで今回は、その立役者である労務の竹内さんと、HRの千田さんに、〜輝くテレワーク賞の舞台裏〜と称して、お話を伺いました。


登場人物

LaborSupportサークル 竹内巌さん

東京出張中に取材したため、オフィス壁紙のピンク背景になった竹内さん

他社で、労務・総務室長や「新しい世の中を見据えた働き方の導入」などを経験後、2021年5月LAPRASに入社。LAPRASでは、労務と社内のリモートに伴うコミュニケーションの円滑化を担当。一方で、社会保険労務士として事務所を開設しスタートアップ企業の支援なども行っている。

HRサークル 千田和央さん

青い背景にすると顔色が良く見えると噂の千田さん

HRBP(ビジネスパートナー)を担当。採用コンサルタントや新卒・中途採用リーダーを経験後、複数のスタートアップでHR責任者として従事。2018年LAPRAS(旧scouty)に入社。LAPRASでは、人事、採用、組織づくりに関わっている。

「LAPRAS Sustainable working Style」について

<LAPRAS Sustainable working Style>
「場所」と「時間」に縛られずに働くことができる制度。

・最低労働時間を撤廃し、労働時間でなく期待されるパフォーマンスに対する実績を評価して報酬を決定することで、時間に縛られず仕事ができる
・フルリモート、オフィスワーク、ワーケーションなど自分に最適な場所で、場所に縛られず仕事ができる

ー 今回「輝くテレワーク賞」を受賞した一因となったのが「LAPRAS Sustainable working Style」の制度だと思うのですが、この制度を導入した背景はどのようなものだったのでしょうか?

輝くテレワーク賞 授賞式(右が社長の染谷さん)

竹内:元々入社前から、「1日8時間働く必要がある」ということに対する疑問がありました。疑問を抱くきっかけとなったのは、前前職でお子さんがいらっしゃる方が、16時にお子さんのお迎えで退社した後、16時の時点で充分に1日分の成果を出し切っているにも関わらず、21時頃に仕事に戻ってきていたことです。その方に「どうして16時の時点で仕事が終わって、成果もすでに他の人より出ているのに、わざわざ仕事に戻ってきてまで頑張るのか?」と確認したところ、「所定時間の8時間に労働時間が満たないと、給与が減額されてしまうため」と言う答えが返ってきたんですね。
その時から「(パフォーマンスに関わらず)8時間は絶対に働かないといけない」ということに対して、疑問を持ち続けていました。

また、場所についても、コロナ前に家族の病気でどうしても実家に帰らないといけない出来事があり、とはいえ年末で仕事も忙しくて放置できないということで実家で仕事をしていたのですが、その時に「別にどこで働いていても、パフォーマンスが出るのであれば良いんじゃないか?」と感じたことが、5年後にLAPRASに入社した際の「LAPRAS Sustainable working Style」の取り組みに繋がっています。

テレワーク大賞で発表する竹内巌さん

ー そのような経験があり、その後LAPRASで制度化したのは何か理由がありますか?

竹内:労務をやっていて「そのうち働き方が今の形から変わっていって、新しい働き方が出てくる」というのはずっと感じていて、それが丁度コロナ禍でリモートで働く必要があったり、世の中が変わって副業もできるといいよねという流れになったタイミングで、LAPRASでもその新しい働き方ができるような制度として、「LAPRAS Sustainable working Style」を作りました。

また、自分自身の価値観としても「会社が細かくルールを縛ってくる」ということがあまり好きではなく、「やることが終わっていれば問題ないのではないか?」いう考えだったこともあり、LAPRASが組織ハンドブックで「時間や場所ではなく、パフォーマンスを重視する」という姿勢を貫いていたので、自分自身の価値観が受け入れられやすいような土壌のある会社であったことも、この制度を作ろうと思った理由だったと思います。

ー 制度を入れる際には、労務とHRどちらが主導したんでしょうか?

千田:特にHRから何かを依頼した訳ではなく、気づいたら制度ができていたので、完全に労務の竹内さんの主導です。HRとしてはもう少し段階的に労働時間を減らしていくような動きも取れると思っていたので、「最低労働時間を撤廃する」という、経営陣にも覚悟を迫るような思い切った制度には正直驚いた部分がありました。

驚いたと言いつつもうれしそうな千田さん

竹内:自分自身はHRが作った「組織ハンドブック」を読んで、その思いを汲みながら制度を作ったので、労務だけで作った制度だとは思っていません。千田さんは「思い切った制度」だと言っていましたが、LAPRASはメンバーの気質や組織文化的にも馴染むし、あえて思い切って踏み込んだ方が受け入れられると思ったので、そんなに悩まずに進めました。流石に思い切った制度なので、財務だったり経営メンバーに対しては事前の相談を重ねた上で進めたのですが、皆さん「やってみれば良いじゃん!」というリアクションだったので、進めやすかったです。実際に導入してみてからも、「ヨッ」とか「すごい」とかいう感じで、社内のメンバーがみんな乗り気なのは良かったです。

一方で、LSWは決して優しいだけの制度ではなく、時間ではなくパフォーマンスで測られると言うことなので、自分を律して一定のパフォーマンスを出し続けないといけないと言う点ではかなり厳しい制度でもある。その辺りが今後もうまく制度として生き続けているのか、また社内のメンバーがこの制度の本質であったり、厳しい側面を分かっているかは、正直不安な点もあります。

ー コロナが落ち着いてきて出社に戻す会社もある中で、LAPRASが将来的にもリモートワークを前提として、制度設計した理由はどこにありますか?

千田:元々LAPRASは全員出社して、オフィスで同期でコミュニケーションを取ることを大事にしている会社でした。ただ、コロナ禍でリモートワークに切り替える必要がでた際に、一度リモートワークを実施したら、今後リモートワークを完全に無くすことは難しいと感じました。そうであれば、リモートワークが業務に会社に存在する以上、リモートワークを最大限活かせる組織を作るためにはどうすれば良いのか?と考えを切り替えて、グローバルを含めて一番パフォーマンスが出るリモート組織を作ろうという目標設定にしました。そこから、世界で一番うまく行っているリモートワークの組織を調べて、そこをゴールに設定し、理想と現実のギャップを埋めていくようなやり方で、今日まで改善を進めています。

リモートワークで一番パフォーマンスが出る組織を定義した際に、「働く場所や時間や個人の属性ではなく、パフォーマンスが出せることを最優先とした組織を作ろう」ということを社内で決めたため、その想いが組織ハンドブックにも表れています。

ー リモートワークでは、オンラインでのコミュニケーションが上手く回るかが鍵になるとおもますが、その辺りの試行錯誤があれば教えてください。

千田:オンラインだと「共在感覚」と呼ばれる「自分が組織や共同体の一員として共に在る感覚」を得ることが一番の課題になります。リモートワークが始まった当初からは本当に色々と試していて、バーチャル会議室は3,4種類試して、あとはVRの端末を買って3Dのバーチャルなオフィスを作ってみたり、ゲームみたいな世界でやってみたり…と、かなり試行錯誤しました。あとは、リゾートで仕事ができるような福利厚生を作ろう!としてみたものの、それも思ったより定着せずに終わったという過去もあります。

竹内:場所に関していうと、LAPRASは完全なオンラインだけでなく、3ヶ月に1度全社員が集まる機会を設けていたり、チームごとに集まってオフサイトや合宿をしていたり、オフラインで交流もしていますよね。自分は地方在住なので、そういった場が「非日常」になり、メンバーとのコミュニケーションの機会とリフレッシュを兼ねている感覚があります。

千田:あとは、既存メンバーはフルリモートに慣れて特に何も感じなくなっても、新入社員が最初はどうしても部屋に1人で孤独感を感じやすいので、その辺りも受け入れ方もかなり試行錯誤の上改善されていっていますね。最初のリモートの社員は自分がトレーナーだったんですが、リモートで他のメンバーとの接点がない状況で、フィードバックを重ねると、どうしても新入社員が追い込まれやすくなっていたので…今はトレーナーと別にメンターがあったり、雑談のイベントがあったりと、孤独感を感じずに組織に馴染めるような仕組みができていると思います。

ー LAPRASのリモートワークの今後については、どう考えていますか?

竹内:フルリモートの場合、仕事とプライベートの境目がなくなるので、生活面で歪んだ内容がすぐに仕事に影響されるという部分の難しさがあると思っています。そこで、今LAPRASでは、「生活面のひずみを仕事に入れないための福利厚生」として、家電のレンタルだったり、家事代行の補助みたいなものが利用できるようになっていますが、今後は、もう少し気軽に環境を変えられるような、ワーケーション等の支援がより充実できれば良いと思います。
前に「リゾートで旅行しながら働く」というのは社内であまり浸透しなかったんですが、そこまでの遠出ではなく、「ちょっと環境を変える」ような場所の選び方ができるようにしたいです。

実際に、気分転換に海辺で仕事をしているメンバーもいます。

千田:HRと労務は同じところに向かっていて、そこで果たす役割が違うんだという風に思っています。HRも方向性は同じで、その人がパフォーマンスを出すための「マイナスの要因を取り除く」ということにフォーカスしたいと思っています。そのための制度や設備は労務が担当しているので、HRとしては組織の中の悩み「誰かとうまくコミュニケーションが取れない」とか「会社が何を自分に期待しているのかがわからない」とかの悩みを取り除いていきたいです。

また、リモートワークでは、出勤していた時や隣で人が話しているようなオフィスよりも、外的な刺激が減ってしまっているはずで、それがパフォーマンスの低下に繋がったり、それ以前に健康を害するようなことにならないように、「脳が好むような、外的な刺激」を提供でいるような動きをもっと色々やっていきたいと思っています。

ー 最後に、今の労務・HRにそれぞれ点数をつけると、いかがでしょうか?

竹内:50点くらいかな。制度自体は良いものができたとしても、導入しただけでは途中で、あくまでゴールはその働き方によりパフォーマンスが出て、会社の成果につながることなので、そういう意味ではまだ道半ばだと思います。

千田:自分も、60点くらいですね。今後も制度を大きく変えたいと思っていることもあり、まだやはり理想には遠く、今後「パフォーマンスにつなげる」という点でたくさん課題があるので、そこを改善し続けていきたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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